もう、いつ感染してもおかしくない、感染してもしょうがない状態にまで感染拡大している新型コロナウイルス感染症。
私の職場にも感染者が発生しました。
結果、感染拡大せずにすみました。
もう、感染を防ぐことが難しいところまで来たので、これからは、クラスターを発生させないことが大切になります!
今回の経験が、他の病院の役に立てばと思い、まとめさせていただきます。
Contents
職員が感染
◯月26日 職員1名 嗅覚異常があり、抗原検査を受け、新型コロナウイルス感染症陽性の診断を受けました。
その職員は、前日まで元気で、普通に仕事をしていました。
保健所に報告し、指示を仰ぐことにしました。
しかし、保健所からの連絡が来たのは3日後。
報告をした時点で、保健所が機能していない様子だったので、院内の感染対策委員会で独自の判断により先に動くことにしました。
濃厚接触者5名
すぐに、当該職員、所属部門の責任者から行動確認をしました。
職員の勤務、勤務中の業務、休憩時間、休憩を一緒にとった職員など、細かく確認。
その結果、食事を一緒にとった職員5名が濃厚接触者に。
マスクをせずに、おしゃべりをしながら食事をしてしまっていました。
メモ
必要な感染対策をせずに、手の届く距離で15分以上接触があったものが、濃厚接触者に特定されます。
職員全員、一部患者にPCR検査を実施
濃厚接触者の定義からは、5名がピックアップされましたが、
- 換気の行うことのできない更衣室での関わりがあること
- 当該職員の感染ルートが特定できないこと
により、職員全員、当該職員と関わった患者にPCR検査を実施することにしました。
全員PCR陰性
結果、全員陰性。
濃厚接触者は、陰性を確認しましたが、2週間自宅待機となりました。
良かった感染症対策3つ
5人も濃厚接触者がいる中、新たな感染者、クラスターが発生しなかったのは、奇跡かもれませんが、新型コロナウイルス感染症が流行してから強化した感染対策により感染拡大を防ぐことができたのかもしれないので、ご紹介したいと思います。
マスク、ゴーグル、フェイスシールド着用
業務中に関わらず、通勤時もマスクの着用を徹底しています。
また、目からの感染を防ぐため、業務中はゴーグルを着用。
患者さんと近くで接する業務や飛沫が発生する業務にあたる場合には、フェイスシールドを着用しています。
自分が感染しないことも大切ですが、"自分は感染者だ"と思って、自分から広げないための行動も意識して業務に当たっていました。
食事席にアクリル板設置
職員用、患者用の食堂にアクリル板の仕切りを設置しました。
食事中の感染が多いため、できる限り会話をせず、食事をしてもらっています。
一緒に食事をしていた5名が濃厚接触者に特定されましたが、感染が広がらなかったのはこの対策のおかげかもしれません。
発声をする活動の中止
患者さんは高齢者が多いため、誤嚥防止のため嚥下訓練を行っていましたが、発声による飛沫を発生させないために、中止にしました。
また、娯楽のために行っていたカラオケなどの発声をする活動も全て中止しました。
楽しみを奪ってしまうのは心苦しい気持ちでしたが、命を守る方が大切だと、みなさんに理解していただきました。
反省点と改善策
全てが良かったわけではありません。今回の出来事により反省点がわかり、すぐに改善策を講じました。
食事中のおしゃべり
食事中にできる限り会話をしないようにと言っていたにも関わらず、マスクもせずに会話をしていた職員。
個人個人の感染対策への意識の低さが露呈しました。
結局、個人個人の意識の問題になってしまうんだなと痛感しました。
濃厚接触者は、陰性だったとしても2週間の自宅待機をしなくてはいけません。
濃厚接触者に5名特定されてしまったことで、2週間5名不足な状態で勤務を回すことになってしまいました。
クラスターは発生しませんでしたが、業務にはかなりの負担が生じ、現場は逼迫してしまいました。
注意ポイント
濃厚接触者にならない!!濃厚接触者を作らない!!
他部門共有の更衣室
業務中に、他部門との関わりを最低限にしようと意識をしていました。
しかし、更衣室にまで気を遣っておらず、結果、職員全員にPCR検査を実施しなくてはいけなくなってしまいました。
もっと早く気づいていれば、当該職員の配属部署の職員、患者のみの検査に止めることができたので。
この後、すぐに、更衣室の見直しを行い、他部署の職員と一緒に使用することがないように配置換えを行いました。
当院は、構造上、換気を行うことができないので、更衣室での感染拡大リスクが大きいと考えたためです。
注意ポイント
部署を跨いでの関わりは、感染拡大に繋がってしまう!!
クラスターを発生させない感染対策を
今回、新型コロナウイルス感染症に罹患した職員も、どこで感染したのか、全くわかりません。
CACAOもダウンロードしていましたが、濃厚接触者なし。
感染対策には気をつけており、家と職場の往復も自転車を使用し、外出も控えていました。
もう、どこで感染するかわからないほど感染が広がっています。
感染しないことがもちろん大切ですが、ウイルスを持ち込まれても感染を拡大させないことも大切になります!
感染しないことは、個人での感染対策に頼る部分が大きいですが、クラスターを発生させないために感染対策は組織としての事前の取り組みが影響してきます。
物理的に難しい部分が多々ありますが、工夫できることがあるのならば、1つでもリスクを少なくしておくことが大切です。
クラスターを発生させない、クラスターが発生してしまっても規模を最小限に食い止めることが、これからの感染対策のポイントです。