
たくさんの医療従事者への支援、励ましのお言葉。感謝の気持ちでいっぱいです!!
でも、私達医療従事者だけでなく、感染拡大防止に協力してくださっている方、みなさんも辛い状況は一緒で、一緒に戦っていると思っています!!
みなさんからの支援や感謝の気持ちが嬉しいのに、国からの支援や言葉に対しては、「もうそれだけでは、どうにもなりません!!」と大声で言いたい気持ちです。
私達、医療従事者の声が、国に届いてくれることを願って発信したいと思います!!
保健所が許可するPCR検査件数は極わずか
私の職場では、PCR検査を実施しています。
みなさんもご存知かと思いますが、
「PCR検査お願いします!」
と言って、簡単にできる検査ではありません。
厚生労働省ホームページのQ&Aにこんな質問がありました。
PCR検査の検査体制は増えていますか。「検査がしたくても、保健所で断られ、やってもらえない」との指摘があります。保険適用が始まるとどのように変わるのでしょうか。
かかりつけ医など、身近にいる医師が必要と考える場合には、患者を帰国者・接触者外来へ紹介し、医師の判断を踏まえ、検査を行うこととなります。医師が必要と判断したすべての方がPCR検査を受けることができるよう、かかりつけ医が患者を帰国者・接触者外来へ直接紹介することが可能になっている他、保健所を介する場合でもスムーズに紹介がされるよう促しています。
また、感染が疑われる方が検査を受けやすいように、PCR検査の医療保険適用を始めました。「帰国者・接触者相談センター」(24時間対応)から紹介された帰国者・接触者外来で検査が必要とされたときは、保健所を経由することなく、民間の検査機関に直接、検査依頼を行うことが可能となりました。
現在、国立感染症研究所・検疫所に加え、地方衛生研究所、民間検査会社や大学などの協力を得ながら、1日約15,000件の検査能力を確保しており、今後20,000件を目指しています。地域の検査能力に限界があるために断られるということがないよう、検査体制の広域的な融通を図り、必要な検査が各地域で確実に実施できるよう、厚生労働省がこれまでにも増して緊密に仲介します。
今後、患者が増加した際も、医師が必要と判断した方が、PCR検査を確実に受けることができるよう、感染拡大防止策が適切にとられた上で、迅速かつ適切に検体の採取が行われるような体制の拡充が重要です。帰国者・接触者外来の検査能力の向上とともに、いわゆるドライブスルー方式についての本格実施についてもそういった点に留意しながら検討していきます。
私の職場でのPCR検査は、保健所からも受けているのですが、依頼は極わずかです。
さらには、「保健所で断られたんだけど、、、」という相談も増えています。
咳が出ただけでも疑うべき職業

「ちょっと頭が痛い」
「喉に違和感を感じる」
「咳が少し出る」
そんなちょっとした症状でも、患者さんにうつさないように気をつけて行動するよう、私達看護師は教育をされています。
私達は、免疫力が高いため、ちょっとした風邪で終わるかもしれません。
しかし、それを、私達が患者さんにうつしてしまっていたらどうでしょう?
免疫力の低下している患者さんにうつしてしまったら、ただの風邪も、肺炎などを引き起こし、重症化してしまいます。
なので、軽い症状でも、軽視しないで行動をしています。
厚生労働省ホームページのQ&Aにはこのような質問がありました。
熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか。
発熱などのかぜ症状がある場合は、仕事や学校を休んでいただき、外出は控えてください。休んでいただくことはご本人のためにもなりますし、感染拡大の防止にもつながる大切な行動です。そのためには、企業、社会全体における理解が必要です。厚生労働省と関係省庁は、従業員の方々が休みやすい環境整備が大切と考え、労使団体や企業にその整備にご協力いただくようお願いしています。
咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他者に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケットを行ってください。
発熱などのかぜ症状について、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気による場合が圧倒的に多い状況です。風邪やインフルエンザ等の心配があるときには、これまでと同様に、かかりつけ医等にご相談ください。
もちろん、私達も、休みますが、そこから次の段階への動きに疑問を感じています。
肺炎所見がなければ検査してもらえない
咳がなかなか止まらなくても、熱がなかなか下がらなくても、「肺炎の所見がないと検査はできません」という場合が多いことです。
早く検査したからいいというものではないことも理解しています。
でも、早く新型コロナウイルスを疑って行動したのに、その後の対応が後手後手。
予防、早期発見が重要な医療の現場で働いているからこそ、感じるギャップなのかもしれません。
「わからない」状態で働いている不安

もう、医療現場は疲弊し、医療崩壊状態です。
「咳が出るので休みます」と気軽に言える雰囲気ではありません。
家に帰ることのできないスタッフもいます。
「喉が変だけど、これだけの症状じゃ検査もしてもらえないし、休めないし。」という不安な状態で働いています。
大阪の病院では、新型コロナウイルス陽性の看護師を働かせていたというニュースが報道されています。
「陽性者を働かせるなんてありえない!」と思いますが、それと同時に、「それぐらい人がいないってことだよね。」と少し共感してしまう自分もいます。
私達は、「自分は無症状感染者だ!!」と思って行動しています。
これは、大切な心がけですが、限界があります。
感染してしまうことも不安ですが、感染させてしまうことも、とても不安です。
知らないうちに感染拡大させるリスクが高い職種。検査基準の緩和を!!抗体検査を!!
病院や施設勤務の看護師は、オンライン診療のように、患者さんと関わらずにできる仕事ではありません。
また、看護師は医師よりも、職員数も多く、患者さんと接する機会も多く、接する距離も近い職種です。
こちらは、医療者向けの厚生労働省のホームページのQ&Aの一つです。
医療機関や検査機関で新型コロナウイルス感染症患者に診療を行った後、PCR検査を行ってもらえますか?
適切に感染防護具を着用して診療した場合には、感染する可能性が低いと考えられるため、一律のPCR検査は行いません。原則として無症状の方へPCR検査は実施していませんが、諸事情により実施を希望される方は、個別に保健所に相談してください。 診療後に発熱や呼吸器症状などが出現した場合は、管轄の保健所に相談してください。
きちんと基準を設けて検査をすることは間違ったことではありません。
でも、無症状感染者の増加、感染経路不明の感染者の増加は、事実です。
テレワークや時差出勤等が難しい職種のため、通勤時の感染リスクも高い医療従事者。
国の医療を守りたいのであれば、医療従事者等の感染リスクの高い職種は、検査基準を緩和したり、別の基準を設けたりするべきではないでしょうか??
また、抗体検査を実施してもいいのではないでしょうか?
再感染している事例があるため、抗体があるから100%感染しないということではありません。
しかし、抗体があるということは、感染しにくいし、感染を広げにくいということになり、院内感染を防ぐ対策に活かすことができます。
また、抗体があるとわかれば、離職も防ぐこともでき、職場復帰しみんなの役に立ちたいという人も出てくるかもしれません。
私達は感染を拡大させたくない!!

私達は、感染する恐怖と感染させてしまう恐怖と戦いながらも、患者さんの看護をしています。
その恐怖は、看護師でなくても同じです。
しかし、
「感染したくないので、出勤しません!!」
ということができません。しません。
正直、それをしていいのであれば、したいくらいの気持ちにまでなってきています。
何もわからないことが一番不安です。
私達は、感染を拡大させたくて仕事をしているわけではありません。
「自分は無症状感染者だ!!」と思って仕事をしています。
しかし、限界があります。
この訴えは、自分の安心のためではありません。
医療従事者を守らないと、患者さんを守ることはできません。
医療従事者から、院内感染を広めてしまう危険性も大きいです。
医療従事者は、家族と別居して、大切な人を守る行動も、自主的に行っています。
支援や感謝の気持ちは嬉しいです!
でも、もうそれだけではどうにもならない状態になっています。
ワクチン開発まで、まだまだ時間がかかると思います。
国の医療を守るために、次の段階に進んでほしいです!!